真っ赤に染めた。
透明に赤を混ぜていく
その赤は、じんわりと時間をかけて染まっていき
真っ赤になった頃には、さっきまでの透明を思い出せなくなった。
「血みたい」
と一言呟いて、水面を指でなぞってみた
とても痛々しくて、美しかった。
透明が恋しくなって
蛇口をひねった。
流れ出す透明を見て、私はホッとした。
触れたら、冷たくてヒヤッとした。
こんなになんてことないことに
いちいち何かを考えれるまで戻ってきたんだ。って嬉しくて泣いた。
真っ赤な水の中で、私を染めながら泣いた。
煩わしく感じなかった。
色んなものを見て、何かを思ったり、気付いたり、思い出したり、痛んだり
すごく懐かしい感覚に嬉しくて仕方がない。
透明を真っ赤に染めながら
私は少し前の自分を真っ赤に染めた。
やっと死んでくれた。
熱いな。と、汗をかき
私の中に通ってる血に意識を向けると
ミゾミゾしてきた。
あぁ、わたし、ミゾミゾしてきた。
答え:バスソルト